正解は1、5

解説

【衛生】
1 正。Ames試験は、Salmonella Typhimuriumのヒスチジン要求性変異株を用い、被検化学物質による野生株(ヒスチジン非要求性株)への復帰突然変異の出現頻度を測定して遺伝毒性の強度を判定する。
2 誤。Ames試験で用いるネズミチフス菌(Salmonella Typhimurium変異株)は、ほ乳動物に存在する異物代謝酵素の多くが欠如しているため、S9mixを加えて被検化学物質を代謝する。
3 誤。コメットアッセイは、被検化学物質で処理した細胞を電気泳動することでDNA損傷性を評価する遺伝毒性試験である。ほ乳動物細胞をはじめ、広範な細胞種に適用可能な試験法である。
4 誤。小核試験には、種々のほ乳動物細胞を用いたin vitro小核試験と、マウスあるいはラットを用いたin vivo小核試験がある。両試験は、細胞分裂時の異常により発生する小核の出現頻度を測定し、染色体異常を評価する試験であり、細胞分裂阻害を検出するものではない。
5 正。Ames試験は簡便かつ短時間で実施でき、最も利用されている遺伝毒性試験であるが、この結果のみで遺伝毒性の有無を評価するのは危険であり、小核試験や染色体異常試験など複数の試験結果と併せて評価する。