【衛生】
本調査では、調査期間の長さや調査期間中の喫煙状態についての条件はないが、調査期間中は対象者の喫煙状態はほぼ変わらないと仮定し、解説する。
1 誤。この表は、対象集団をリスク要因(喫煙)の有無によって分け、将来に向かって疾病(脳血管疾患)の発生率を比較しているので、要因-対照研究の結果を示している。
2 誤。相対危険度とは、要因曝露により疾病の発生率が何倍になったかを示すものである。一方、寄与危険度とは、要因曝露により疾病の発生率がどれだけ(何人)増えたかを示すものであり、要因曝露がなければ疾病の発生数がどれくらい減少できるかを示している。
3 誤。喫煙が脳血管疾患を発症させるリスクが最も高いと考えられるのは、相対危険度が最も大きい45 - 49歳である。
4 正。相対危険度は、以下の式で算出できる。
相対危険度=要因曝露群の発生率/要因非曝露群の発生率
65 -
69歳の群は、加齢により非曝露(非喫煙)群の発生率が他の年齢階級の群と比べて高くなったため、相対危険度は低くなったと考えられる。
5 正。調査目的とする要因(因子)と疾病との関連性を調べる際、別の因子の存在によって調査結果が歪められてしまうことがある。このような因子を交絡因子という。本調査では、非喫煙者の脳血管疾患発生率が加齢とともに高くなっているので、年齢が交絡因子と考えられる。