【実務】
1 誤。関節リウマチに用いる生物学的製剤には、トシリズマブ(ヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体)や、アバタセプト(CD80/CD86を標的分子とするT細胞選択的共刺激調節薬)など、さまざまなものがある。関節リウマチに用いる生物学的製剤すべてがTNF-α阻害薬ではない。
2 誤。関節リウマチに用いる生物学的製剤は、関節破壊の進行を抑えることができる。
3 正。TNF-α阻害薬としては、インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブなどがある。TNF-α阻害薬の効果が不十分な場合は、別のTNF-α阻害薬に変更することや、別の生物学的製剤を用いることを考慮する。
4 誤。メトトレキサートと併用する必要があるのは、インフリキシマブである。インフリキシマブはキメラ型モノクローナル抗体であり、長期間使用すると、インフリキシマブに対する抗キメラ抗体が形成されることによって作用が減弱することがある。この抗キメラ抗体の産生を抑制するためにメトトレキサートとの併用が必須となる。一方、マウス蛋白を含まないエタネルセプトやアダリムマブはメトトレキサートとの併用は必須ではない。
5 正。生物学的製剤を使用することで、免疫力が低下する。その結果、結核などの感染症に罹患あるいは悪化する可能性が高まるため、治療開始前に結核の既往歴を確認する。