正解は 2、5

解説

【衛生】
1 誤。(1)は悪性新生物である。悪性新生物の罹患者は男女ともに50歳代くらいから増加し、(粗)死亡率は男女ともに60歳代から増加するため、悪性新生物の(粗)死亡率の上昇には、人口の高齢化が関与している。
2 正。(2)は心疾患、(4)は脳血管疾患である。1995年(平成7年)前後に心疾患の死亡率が減少し、脳血管疾患の死亡率が増加したのは、同年のICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10改訂版)の適用に伴って死亡診断書の様式が改正されたためである。同年から施行の新しい死亡診断書には「疾患の終末期の状態としての心不全、呼吸不全等は書かないでください」との注意書きが添えられたことによる。
3 誤。(3)は肺炎である。近年の肺炎による死亡者の95%以上は65歳以上であり、1980年代からは高齢化により死亡率が上昇傾向にある。近年は特に後期高齢者の誤嚥性肺炎による死亡が多い。
4 誤。(4)は脳血管疾患である。脳血管疾患の最も重要なリスクファクターは高血圧であるが、食塩の摂取量が減少したことや治療法の向上などにより、過去50年間で収縮期血圧は男女共にいずれの年齢においても低下している。
5 正。(5)は結核である。1951年(昭和26年)に制定された結核予防法ではワクチン(BCG)接種、抗結核薬など適正医療の普及、健康診断を柱に対策を進め、さらに公衆衛生の向上や栄養状態の改善などにより、1950年(昭和25年)頃より急激に減少した。