正解は 2、5

解説

【薬剤】
 リピッドマイクロスフェアは、大豆油とレシチンで調製した脂肪乳剤で、炎症部位や動脈硬化病変部位への薬物運搬体として用いられる。また、o/w型エマルションのため、油滴内に脂溶性薬物を封入することが可能である。

1 誤。リン脂質の二重膜構造からなる閉鎖小胞体のことをリポソームという。抗真菌薬であるアムホテリシンBを封入したリポソーム製剤などがある。
2 正。記述通り。アルプロスタジルは脂溶性のため、リピッドマイクロスフェアの油滴内に封入されている。
3 誤。PEG(ポリエチレングリコール)修飾リポソーム製剤の記述である。リポソームは、粒子表面をポリエチレングリコールで修飾することで細網内皮系組織への取り込みを回避することができ、血中における滞留性が増大する。
4 誤。リピッドマイクロスフェアやリポソームは、脈管系の特徴などを利用し標的部位での薬物濃度を相対的に高めることによって、標的部位に薬物を送達させる受動的ターゲティングを目的としている。一方、抗体などを用いて積極的に標的部位に薬物を送達させることを能動的ターゲティングという。
5 正。記述通り。アルプロスタジルを封入したリピッドマイクロスフェア製剤は、受動的ターゲティングにより動脈硬化病変部位や炎症部位へ薬物を送達させることを目的としている。