正解は 1、3

解説

【衛生】
1 正。必須脂肪酸とは、体内で合成されないか、合成されたとしても必要量に達しないため、食事などから摂取する必要がある脂肪酸のことである。脂肪乳剤中の油脂には、必須脂肪酸であるリノール酸、リノレン酸が約60%含まれており、長期にわたる高カロリー輸液療法において必須脂肪酸が補給できる。
2 誤。炭素数が6 - 10程度の中鎖脂肪酸は、肝臓で効率的に酸化されるため、エネルギーとしての利用効率が高いため、脂肪乳剤として用いられる。
3 正。三大栄養素1 gを摂取した際に体内で得られるエネルギー量(Atwater係数)は、脂質で約9.0 kcal、糖質・タンパク質で約4.0 kcalである。
4 誤。脂肪乳剤中のトリアシルグリセロール(TG)が経静脈的に投与されると、リポタンパク質リパーゼによりグリセロールと脂肪酸に分解され組織に吸収される。
5 誤。脂肪乳剤には乳化剤としてレシチンが含まれている。レシチンは、構造中に水と油の両方の性質をもっている両親媒性物質であるため、脂肪乳剤を乳化させるために使用されている。