【実務】
クロルプロマジンは、フェノチアジン系統合失調症治療薬であり、中脳-辺縁系及び中脳-皮質系のD2受容体遮断による抗精神病作用を示す他、H1受容体、α1受容体及びムスカリン受容体の遮断作用も有する。「強い眠気」は、H1受容体遮断作用による中枢抑制作用、「起床時の立ちくらみ」は、末梢α1受容体遮断作用による起立性低血圧、「手の震えや体のこわばり」は黒質-線条体のD2受容体遮断作用による錐体外路障害、「視野の狭窄や物の見えにくさ」は角膜・水晶体の混濁、網膜・角膜の色素沈着及び抗コリン作用による眼内圧の上昇が関与している。
しかし、「歯ぐきの腫れ」は、本剤により誘発するとの報告はないため、副作用の早期発見のために、薬剤師が患者や家族にあらかじめ説明する症状として適切ではない。
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