正解は 1、3

解説

【実務】
1 誤。脂肪乳剤は、通常10%製剤は1日500 mLを3時間以上かけて点滴静注する。脂肪乳剤の投与速度が速すぎると体内での分解が間に合わず、加水分解されない脂肪が血中に蓄積することで静脈炎、血管痛、発熱等が発現するおそれがある。
2 正。脂肪乳剤の投与により、脂肪乳剤の血管外漏出が原因と考えられる皮膚壊死、潰瘍形成が報告されている。そのため、点滴部位の観察を十分に行い、発赤、浸潤、腫脹などの血管外漏出の徴候が現れた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うことが必要である。
3 誤。脂肪乳剤を他の注射剤と混合すると、脂肪乳剤中の脂肪粒子が粗大化するため、混合を避けて投与する。
4 正。脂肪乳剤を含む輸液を接合部がポリカーボネート製の輸液セット等で使用した場合、その接合部にひび割れが生じ、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性があるので注意する。
5 正。可塑剤としてDEHP[フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが油に溶けやすく製剤中に溶出することがある。そのため、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。