正解は 4、5

解説

【実務】
1 誤。肝硬変ではアルブミン合成が低下し、血漿膠質浸透圧が低下するため、腹水や浮腫を生じる。
2 誤。ループ利尿薬は、ヘンレ係蹄上行脚の管腔側から作用してNa+-K+-2Cl-共輸送系を抑制することによりNa+とCl-の再吸収を抑制するため、血中Na+を低下させる。
3 誤。フィッシャー比とは、分岐鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸のモル比をさし、肝障害時では芳香族アミノ酸の代謝が低下するため、フィッシャー比は低下する。その結果、増加した芳香族アミノ酸が脳に移行して偽性伝達物質を生成し、肝性脳症を起こす。フィッシャー比の低下時には、分岐鎖アミノ酸製剤を投与することにより体内アミノ酸バランスを是正し、芳香族アミノ酸の脳内への移行を抑制する。
4 正。ラクツロースは合成二糖類であり、乳酸菌により乳酸に代謝され、腸内pHを低下させることによりアンモニア産生菌発育を抑制し、アンモニア生成を抑える。また、アンモニアの腸管吸収を抑える。
5 正。カナマイシン一硫酸塩はアミノグリコシド系薬であり、消化管で吸収されにくいため、経口投与により腸内細菌を殺菌することで腸内細菌叢によるアンモニア産生を抑制する。