正解は 3、4

 

【衛生】
1 誤。我が国で販売されているガソリン中には硫黄はほとんど含まれておらず、自動車のガソリンエンジンは硫黄酸化物の主な発生源ではない。我が国における硫黄酸化物の主な発生源は、石炭や重油を燃料として使用する工場などの固定発生源である。
2 誤。光化学オキシダントの生成に最も深く関与するものとして、窒素酸化物、太陽光(紫外線)、酸素、オレフィン(非メタン)系炭化水素などの揮発性有機化合物(VOC)がある。
3 正。浮遊粒子状物質(SPM)とは、大気中に浮遊する粒子状物質のうち、粒径が10μm以下のものをいう。発生源から直接大気中に排出されるものは一次生成粒子、硫黄酸化物や窒素酸化物、炭化水素などのガス状成分が反応して大気中で生成されるものは二次生成粒子とよばれる。また、有機性の浮遊粒子状物質は、物質の燃焼に伴って生成するものが多く、炭素の燃焼によって生成する多環芳香族炭化水素(一次生成粒子)と、この多環芳香族炭化水素が窒素酸化物などと反応して生成したニトロ多環芳香族炭化水素(二次生成粒子)がある。
4 正。非メタン炭化水素は光化学オキシダントの原因物質であり、自動車から排出されるほか、塗装工場、印刷工場など炭化水素類を成分とする溶剤を使用する工場、事業場からも排出される。
5 誤。窒素酸化物は水に難溶で、かつ反応性が乏しいため、水洗法又はアルカリ洗浄法といった単純な吸収法では効果的な除去はできず、アンモニア選択接触還元法が広く用いられている。一方、硫黄酸化物は塩基性の水溶液に接触させるアルカリ湿式法で、効果的に除去できる。