【薬理】
1 誤。ピレンゼピンは、M1受容体遮断作用を有し、胃酸分泌を抑制するが、M2受容体遮断作用は弱いため、心機能の亢進は起こしにくい。
2 誤。ミソプロストールは、胃粘膜壁細胞においてプロスタノイドEP受容体を刺激し、アデニル酸シクラーゼの活性を抑制して胃酸分泌抑制作用を示す。また、胃粘膜の粘液及び十二指腸粘膜の重炭酸イオン分泌を促進し、粘膜血管に作用して血流量を維持して粘膜層のもつ酸中和能を高めることより、粘膜防御機構の増強作用を示す。なお、子宮平滑筋のEP受容体を刺激して子宮収縮を引き起こすため、妊婦には禁忌である。
3 正。メトクロプラミドは、D2受容体を遮断し、上部消化管運動促進作用や制吐作用を示す。なお、本剤は、下垂体前葉のD2受容体を遮断してプロラクチンの分泌を促進するため、副作用として乳汁分泌を起こすことがある。
4 正。ブチルスコポラミンは、M3受容体を遮断し、胃腸管、胆道、泌尿器及び女性生殖器の痙れんを緩解する。副作用として口渇を起こすことがある。
5 誤。メペンゾラートは、M3受容体を遮断し、消化管運動を抑制する。一般に抗コリン薬は、副作用として排尿障害を起こすことがあるため、前立腺肥大を有する患者に使用した場合、排尿困難、尿閉の併発が報告されている。
〇
ピレンゼピン:ガストロゼピン
ソプロストール:サイトテック
メトクロプラミド:プリンペラン
ブチルスコポラミン:ブスコパン
メペンゾラート:トランコロン