【実務】
1 不適切。処方されているグリメピリドは重篤な腎機能障害のある患者、メトホルミンは中等度以上の腎障害のある患者に対しては、排泄が遅延し、低血糖のリスクを上昇させるため禁忌である。本患者は、BUN49.8
mg/dL、血清クレアチニン4.38 mg/dLと高値を示しており、腎障害が見られるため、増量は適切ではない。
2 不適切。本患者の血清カリウム値は正常値範囲内ではあるが、比較的高値になっている。カリウム製剤を追加する必要はない。
3 適切。本患者のBUNや血清クレアチニンの値より、糖尿病性腎症が進行していると判断できる。また、浮腫も見られるため、糖尿病の患者には慎重投与であるが、フロセミドを投与することによって浮腫の改善を図ることができる。
4 不適切。HDL-C、LDL-C、TGともに正常値であるため、コレスチラミンを投与する必要はない。
5 不適切。HDL-C、LDL-C、TGともに正常値であるため、ベザフィブラートを投与する必要はない。また、ベザフィブラートは血清クレアチニン2.0
mg/dL以上の患者には禁忌である。
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正解は出せるが...
「糖尿病性腎症が進行していると判断できる。」は可能性は高いが,言い過ぎ.
高窒素血症は確かだが,経過が不明.前立腺肥大などで尿路閉塞があり,急速に腎機能が悪化しているのかもしれない.
浮腫の原因は心臓,肝臓,腎臓,(癌などによる)骨盤腔での静脈還流異常,血栓性静脈炎,リンパ浮腫.ほかを否定する必要がある.