【物理】
生体膜は主として、脂質、糖質、タンパク質から構成されており、その構成比は生体膜の種類によって異なる。
1 誤。生体膜は、リン脂質分子中の疎水性尾部(疎水基)どうしを向かい合わせて親水性頭部(親水基)を外側に向けた二分子膜をつくり、脂質二重膜を構成している。以下に、脂質二重膜の模式図を示す。
2 誤。生体膜中のコレステロールは、その存在量や温度によって、膜の流動性にさまざまな影響を与える。通常の液晶状態では、リン脂質分子の隙間を埋めて膜流動性を低下させ膜を固くする。
3 正。生体膜中のリン脂質分子は、その膜内での分子の垂直軸(長軸まわり)の回転運動(軸回転)も見られる。
4 正。生体膜中のリン脂質分子は、生体膜の一方の層の脂質ともう一方の層の脂質の交換(フリップ・フロップ)を行う。生体膜が機能を発揮するために、膜中の脂質は、フリップ・フロップなどの分子運動をすることで、生体膜が流動性に富んだ状態を維持させている。
5 誤。生体膜中のリン脂質分子は、拡散によって側面方向に二次元的に絶えず移動している(側方拡散)。よって、リン脂質分子は、二重層の同一の層内で移動することができる。
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