【薬剤】
【生物】
1 正。B細胞は、抗原受容体であるB細胞受容体(免疫グロブリン)により抗原を認識する。特異的な抗原を認識したB細胞は、2型ヘルパーT細胞(Th2)が分泌するインターロイキン(IL)-4、IL-5、IL-6などのサイトカインによる刺激の他、B細胞表面のCD40とT細胞表面のCD40リガンド(CD154)との結合を介して、抗体産生細胞(形質細胞)に分化・増殖する。
2 誤。マクロファージの細胞表面にあるFc受容体は、抗原と結合した抗体(主にIgG)のFc部に対する受容体であり、外来菌体成分と直接結合するのではない。マクロファージは、Fc受容体を介して抗体と結合した抗原を優先的に貪食する他、抗体を介して細胞を傷害する抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)反応のエフェクター細胞として働く。
3 誤。肥満細胞(マスト細胞)は抗原提示能を有さない。また、抗原提示を受ける細胞はT細胞であり、B細胞ではない。一般に、抗原提示は、抗原提示細胞(樹状細胞、マクロファージ、B細胞など)が細胞内に取り込んだ外来抗原由来のペプチドを主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスII分子に結合させて、ヘルパーT細胞に提示する反応である。
4 正。ヘルパーT細胞は、抗原提示によるT細胞受容体(TCR)への刺激に加え、抗原提示細胞のCD80/CD86分子によるT細胞のCD28分子への刺激(共刺激シグナル)などにより活性化される。活性化されたヘルパーT細胞表面にはCTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球抗原-4)が発現しており、CTLA-4はCD28分子と競合して抗原提示細胞のCD80/CD86分子に結合することで、T細胞内に抑制性のシグナルを伝える受容体として働く。
5 誤。ナチュラルキラー(NK)細胞は、抗原感作を受けずに腫瘍細胞やウイルス感染細胞を傷害することができる。一方、細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)は、樹状細胞のMHCクラスI分子とそれに結合する抗原ペプチドの複合体による刺激(クロスプレゼンテーション)などを経て活性化され、腫瘍細胞やウイルス感染細胞を傷害することができる。
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