【化学】
本患者は、浮腫の発現、血圧上昇、血清カリウム値の低下、代謝性アルカローシスを認めていることから、偽アルドステロン症を起こしていると考えられる。本患者は芍薬甘草湯を服用しており、偽アルドステロン症を起こした成分はカンゾウに含まれるグリチルリチン酸と考えられる。
1 誤。バイカレイン(baicalein)の構造である。バイカレインは、配糖体であるバイカリン(baicalin)の加水分解により得られるフラボノイドである。また、バイカリンはシソ科植物コガネバナの周皮を除いた根を基原とするオウゴンに含まれる。
2 誤。ゲニピン(genipin)の構造である。ゲニピンは、配糖体であるゲニポシドを加水分解すると得られるイリドイドである。また、ゲニポシドはアカネ科植物クチナシの果実を基原とするサンシシに含まれる。
3 誤。サントニン(α-santonin)の構造である。サントニンは、キク科植物ミブヨモギのつぼみを基原とするシナカに含まれるセスキテルペンである。
4 誤。ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)の構造である。ウルソデオキシコール酸は、クマ科動物Ursus
arctosなどの胆汁を乾燥したユウタンに含まれる胆汁酸である。
5 正。グリチルレチン酸(glycyrrhetinic
acid)の構造である。グリチルレチン酸は、配糖体であるグリチルリチン酸の加水分解により得られるトリテルペンである。また、グリチルリチン酸はマメ科植物Glycyrrhiza
uralensisなどの根及びストロンを基原とするカンゾウに含まれる。
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