【病態】
転移性乳がん患者を対象として新規抗がん剤Xと既存薬の奏効割合を用いて関連性の有無を分析しているため、ノンパラメトリックな手法であり2群間の差の検定であるχ2検定が該当する。
1 誤。パラメトリック検定において2群間における連続データの平均値の差の検定にt検定が用いられる。t検定は比較するデータの患者が同じか異なるかによって、「対応のあるt検定」と「対応のないt検定」に分けられる。
2 誤。対応のないパラメトリックなデータに対する2群間の平均値の差の検定には分散性に応じて対応のないt検定が用いられる。
3 正。χ2検定は、対応のない2群間の生存率や副作用発現率などのノンパラメトリックなデータ(名義尺度)に関して、その比率や割合を用いて関連性の有無を分析する手法である。
4 誤。3群以上の標本平均を比較する方法を総じて分散分析法という。分散分析は各群の標本が同一母集団から抽出されたものか否か(各群の標本平均に差があるか否か)を一括して判定するものである。
5 誤。Mann-Whitney
U-testはWilcoxonの順位和検定と本質的に同一であり、対応のないt検定に相当するノンパラメトリックな(特定の分布をとらない)データの検定に用いる手法である。データの順位に基づいて検定統計量U値を計算するため、主に順序尺度の検定に適している。
〇