【実務】
食欲不振と吐き気という患者の訴えと、ジゴキシン(有効血中濃度域:0.8〜2.0 ng/mL)の血中濃度が2.2
ng/mLであったことより、本患者はジギタリス中毒であると考えられる。
血中ジゴキシン濃度の増加は、クラリスロマイシン服用による可能性が最も高いと考えられる。クラリスロマイシンは、腸内細菌叢に対する影響によりジゴキシンの不活化を抑制したり、P-糖タンパク質を介したジゴキシンの輸送を阻害することにより、ジゴキシンの血中濃度を上昇させる(併用注意)。
また、リファンピシンは、P-糖タンパク質、肝薬物代謝酵素の誘導作用により、ジゴキシンの血中濃度を低下させる。その他の薬物とジゴキシンの相互作用は報告されていない。
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