正解は 5 直腸診

解説

【病態】
1 誤。国際前立腺症状スコアは、前立腺肥大症において、自覚症状を評価するための7項目(残尿感、頻尿、尿線途絶、尿意切迫感、尿勢低下、腹圧排尿、夜間排尿回数)を0 - 5点で採点し、重症度を評価するために用いられる。
2 誤。尿流量測定は、排尿状態を客観的・定期的に評価するために用いられるが、前立腺肥大症、前立腺がんの両疾患で尿流量の低下を認める場合があるため、鑑別には適さない。
3 誤。残尿量測定は、排尿直後に膀胱内に残存する尿量を測定し評価に用いるが、前立腺肥大症、前立腺がんの両疾患で残尿量の増加を認める場合があるため、鑑別には適さない。
4 誤。前立腺容積より、尿路閉塞が予測可能であるが、前立腺肥大症、前立腺がんの両疾患で前立腺容積の増大が見られる場合があるため、鑑別には適さない。
5 正。直腸疹を行うことにより、前立腺の大きさ、硬さ、硬結の有無を確認することができる。前立腺肥大症の腫瘍は弾力があり、表面はなめらかである。前立腺がんの腫瘍はゴツゴツして硬く、表面は凸凹である。簡便だが主観的な検査であるため、触診の解釈にはある程度の熟練を要するが、両疾患の鑑別に役立つ。