【病態】
1 誤。Body mass index(BMI)は、体重(kg)/[身長(m)]2で求められる。BMI 25以上を肥満とするが、本患者のBMIは約23であるため肥満ではない。
2 正。1型糖尿病は、多くの症例で発症初期より膵島抗原に対する自己抗体(抗GAD抗体、抗インスリン抗体など)が認められる。本患者は1型糖尿病であるため、自己抗体が陽性である可能性が高い。
3 誤。検査データより、尿糖(+++)、尿中ケトン体(++)、pH
7.1より、糖尿病ケトアシドーシスによる意識障害を呈したと考えられる。
4 正。1型糖尿病ではインスリン欠乏が生じるため、糖利用が低下し、脂肪組織において脂肪が分解されることで、アセチルCoAが増加する。過剰なアセチルCoAによりアセチルCoAが縮合して、ケトン体産生が亢進し、糖尿病ケトアシドーシスを生じる場合がある。本患者は尿中ケトン体(++)のため、糖利用の低下による脂肪分解の亢進が生じていると考えられる。
5 誤。本患者は糖尿病ケトアシドーシスを呈していると考えられるため、インスリン療法の絶対適応となる。また、1型糖尿病による重症ケトーシスの患者は輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるため、グリニド系薬剤の投与は適さない。