正解は 3 ダイラタント流動

解説

【薬剤】
1 誤。ビンガム流動(塑性流動)は、降伏値をもつ流動である。降伏値以上のせん断応力では、ニュートン流動と同様の挙動を示し、見かけ粘度は一定である。軟膏剤、チンク油などがこの流動を示す。
2 誤。準塑性流動(擬塑性流動)は、降伏値をもつ流動である。降伏値以上のせん断応力では、準粘性流動と同様の挙動を示し、見かけ粘度は低下する。メチルセルロース、カルメロースナトリウム、アルギン酸ナトリウムなどの2~3%水溶液がこの流動を示す。
3 正。ダイラタント流動(ダイラタンシー)は、流動性の高い最密充填構造の粒子がせん断応力の増加に伴いかさ高い粗な充填構造となり、見かけ粘度が増大する流動である。デンプンの50%以上の高濃度水性懸濁液などがこの流動を示す。
4 誤。準粘性流動は、せん断応力の増加に伴い高分子が流動方向に整列するため、見かけ粘度が低下する。メチルセルロース、カルメロースナトリウム、アルギン酸ナトリウムなどの1%前後の水溶液がこの流動を示す。
5 誤。ニュートン流動は、理想的な粘性流動であり、せん断応力とせん断速度が常に比例する挙動を示す。したがって、せん断応力が増加しても、見かけ粘度は一定である。水、エタノール、グリセリンなどがこの流動を示す。