正解は 4、5

解説

【薬剤】
粉末X線回折のパターンは試料中の結晶の単位格子の種類や大きさに依存する。単位格子とは、構成分子や原子が一定の周期性をもって規則正しく三次元的に整列するときの最小単位であり、図1のように示される。また、X線回折パターンを図2のように確認することで、結晶aと結晶dの回折角度が一致しているため、同じ結晶構造であることがわかる。

1 誤。固体a~dの回折パターンから結晶の外観の相違については判断できない。
2 誤。固体aと固体bの回折パターンから水分量は判断することができない。試料の水分などの評価が可能なのは熱重量測定法(TG)である。
3 誤。固体aと固体dの回折パターンは、回折角度がそれぞれ同じであるため、同じ結晶構造(単位格子の大きさは同一)であると判断できる。
4 正。固体bと固体dの回折パターンは、回折角度が異なるため、結晶多形と判断できる。
5 正。固体cの回折パターンは、明確な回折ピークが観察されないハローパターンのため、構造の規則性をもたない非晶質だと判断できる。非晶質は、ランダムな分子配列を示すため結晶性が著しく低い。