【化学】
1 正。化合物Aの最も安定ないす形配座では、よりかさ高い置換基であるイソプロピル基がエクアトリアル位に結合する。立体配座Iはイソプロピル基がアキシアル位に結合している不安定な立体配座であり、立体配座IIはイソプロピル基がエクアトリアル位に結合している最も安定な立体配座である。
2 誤。E2反応は、脱離する水素とハロゲンが同一平面上で反対向きの立体配座(アンチペリプラナー)において進行する(アンチ脱離)。また、シクロヘキサン誘導体におけるE2反応では、脱離する水素とハロゲンがともにアキシアル位に結合している場合にのみ、アンチペリプラナーの立体配座をとる。よって、E2反応が進行するのはクロロ基がアキシアル位に結合している立体配座IIである。
3 誤。化合物AにおけるE2反応の主生成物は、Saytzeff(ザイツェフ、セイチェフ)則に従った熱力学的に安定な多置換アルケンである化合物Cである。
4 誤。E2反応は、塩基によるプロトンの引き抜きとハロゲン化物イオンの脱離が同時に起こる1段階の反応であり、カルボカチオン中間体を経由しない。
5 正。E2反応の反応速度は、次の速度式に従う。
反応速度=k×[基質]×[試薬(塩基)] k:反応速度定数
よって、基質である化合物Aの濃度及び試薬(塩基)であるナトリウムエトキシドの濃度に比例する。