【生物】
図より、Aは横紋構造を有し、神経筋接合部(運動神経とのシナプス)が見られることから骨格筋、Bは横紋構造を有し、介在板が見られることから心筋、Cは横紋構造が見られないことから平滑筋であると考えられる。
1 誤。図より、骨格筋と心筋は横紋構造が見られるため、横紋筋に分類される。一方、平滑筋には横紋構造が見られない。
2 正。心筋及び平滑筋は不随意筋であり、自律神経支配を受ける。一方、骨格筋は随意筋であり、運動神経支配を受ける。
3 誤。骨格筋の収縮は、主に筋小胞体のリアノジン受容体(Ca2+チャネル)から放出された遊離Ca2+がトロポニンCに結合することで引き起こされる。トロポニンCにCa2+が結合すると、トロポニンとトロポミオシンによるアクチンとミオシンの滑り込みの抑制が解除され、収縮を引き起こす。
4 正。心筋において、細胞膜の電位依存性L型Ca2+チャネル開口により細胞外から流入したCa2+が、トロポニンCと結合することで収縮を引き起こす。また、心筋細胞内の筋小胞体から放出された遊離Ca2+も収縮に関与する。
5 誤。平滑筋の収縮は、Ca2+-カルモジュリン複合体によりミオシン軽鎖キナーゼが活性化され、ミオシン頭部のリン酸化を介したアクチンとミオシンの滑り込み(架橋形成)により起こる。一方、平滑筋の弛緩は、Gsタンパク質共役型受容体の刺激を介して活性化されたプロテインキナーゼAがミオシン軽鎖キナーゼをリン酸化することなどで引き起こされる。リン酸化されたミオシン軽鎖キナーゼは、カルモジュリンに対する親和性が低下し、その活性が抑制されるため、ミオシンとアクチンの架橋形成は抑制され、平滑筋は弛緩する。