正解は 1、4

解説

【病態】
1 正。DSM-5では、ナルコレプシーの診断は、3ヶ月以上持続する睡眠発作の反復、情動脱力発作の存在又はREM睡眠関連症状の検査所見のいずれかの存在により行われる。REM睡眠関連症状の検出のためには、睡眠時ポリグラフ検査や反復睡眠潜時検査(MSLT)が行われるため、本症例の診断に有用である。
2 誤。アトモキセチン塩酸塩は、選択的にノルアドレナリントランスポーターに結合し、ノルアドレナリンの再取り込みを抑制するため、シナプス間隙のノルアドレナリン量を増大させる。本剤は注意欠如/多動性障害(AD/HD)の治療に用いられるが、ナルコレプシーには適応を有しない。
3 誤。モダフィニルはメチルフェニデート塩酸塩と比較し、効果持続時間が長く、依存性は少ないため、ナルコレプシーの第一選択薬として用いられる。
4 正。ナルコレプシーに伴う情動脱力発作、REM睡眠関連症状に対して、三環系抗うつ薬であるクロミプラミン塩酸塩が用いられる。
5 誤。日中覚醒により、帰宅後に疲労や眠気が生じて生活習慣が乱れ、睡眠症状の悪化が見られる場合があるため、健常者以上に規則正しい食生活や睡眠習慣などを指導することが重要である。