正解は 1、4

解説

【薬理】
1 正。イストラデフィリンに関する記述である。イストラデフィリンは、線条体及び淡蒼球においてアデノシンA2A受容体を遮断することにより、ドパミン作動性神経の変性・脱落によるGABA作動性神経の過剰興奮を抑制し、レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるwearing-off現象を改善する。
2 誤。クロルプロマジンなどの抗精神病薬に関する記述である。クロルプロマジンは、線条体のD2受容体を遮断し、副作用として錐体外路症状を誘発する可能性がある。
3 誤。ドロキシドパに関する記述である。ドロキシドパは、芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素(ドパ脱炭酸酵素)によりノルアドレナリンへと変換されるため、パーキンソン病におけるすくみ足などに用いられる。
4 正。エンタカポンに関する記述である。エンタカポンは、末梢性カテコール-O-メチル基転移酵素(COMT)阻害薬であり、末梢でのレボドパの3-O-メチルドパへの変換を阻害して血中レボドパの脳内移行を増強し、レボドパの抗パーキンソン病作用を増強するため、レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジドとの併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善目的で用いられる。
5 誤。トリヘキシフェニジルやビペリデンなどに関する記述である。トリヘキシフェニジルやビペリデンは、中枢性抗コリン薬であり、線条体のムスカリン受容体を遮断するため、向精神薬投与によるパーキンソニズム・ジスキネジア(遅発性を除く)・アカシジアなどに用いられる。