【薬理】
1 正。クロピドグレルは、肝臓で活性代謝物に変換され、血小板のADPのP2Y12受容体を選択的かつ不可逆的に遮断し、アデニル酸シクラーゼの活性抑制を解除して血小板内cAMP濃度を上昇させる。その結果、血小板内遊離Ca2+濃度を低下させることにより血小板凝集抑制作用を示す。
2 誤。シロスタゾールは、血小板及び血管平滑筋のホスホジエステラーゼ(PDE)IIIを選択的に阻害し、細胞内cAMP濃度を上昇させて血小板凝集抑制作用及び血管拡張作用を示す。
3 正。低用量アスピリンは、血小板内のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)を不可逆的に阻害し、TXA2産生を抑制して血小板凝集を抑制する。低用量アスピリンは、血管内皮細胞のCOX-2を阻害しにくいため、血管内皮細胞におけるPGI2の産生は抑制されにくい。
4 誤。ヘパリンは、アンチトロンビンIII(ATIII)と複合体を形成し、セリンプロテアーゼ(トロンビンや第Xa因子など)活性を阻害して抗凝固作用を示す。
5 誤。リバーロキサバンなどに関する記述である。ダビガトランは、ダビガトランエテキシラートの活性代謝物であり、トロンビンの活性部位に競合的かつ可逆的に結合し、フィブリノーゲンからフィブリンへの変換を阻害して抗凝固作用を示す。