【実務】
ニボルマブは、免疫チェックポイント阻害薬であり、免疫チェックポイント分子(PD-1)によるT細胞の活性化抑制を解除することで抗腫瘍作用を示す。免疫チェックポイント阻害薬による免疫抑制の解除に伴う副作用は、T細胞が全身の各臓器に浸潤して免疫反応を起こし、免疫反応が過剰になることで起こり、これらの副作用は、自己免疫疾患に類似した症状を呈し、免疫関連副作用(irAE:immune-related
adverse
events)とよばれている。代表的なirAEとして、間質性肺炎、重症筋無力症、大腸炎・下痢、甲状腺機能障害、1型糖尿病などがあるが、これらの副作用は、作用機序の延長線上にある直接的な副作用である。
本問題では、間接的に生じる副作用が問われており、ニボルマブ投与により、irAEである甲状腺機能障害が生じ(直接的な副作用)、その結果、低血糖(間接的な副作用)が起こる可能性がある。