正解は 1、3

解説

【生物】
1 正。紡錘糸は微小管により構成され、細胞の有糸分裂に関与する。微小管は、分裂期(M期)に中心体から伸び、紡錘糸として染色体のセントロメア領域に結合し、染色体を中心体のある両極へ移動させる。
2 誤。微小管は、チューブリン(α-チューブリン及びβ-チューブリン)とよばれる球状タンパク質が数珠状に連なった管状の線維である。微小管には極性があり、β-チューブリンで終わる微小管末端を+端、α-チューブリンで終わる微小管末端を-端とよぶ。
3 正。神経細胞において、微小管は小胞を軸索に沿って輸送する軸索輸送に関与する。この軸索輸送には、モータータンパク質(キネシン、ダイニン)が関与している。キネシンは、微小管の+端に向かって小胞を輸送する順行性輸送、ダイニンは、微小管の-端に向かって小胞を輸送する逆行性輸送に関与する。
4 誤。腫瘍細胞の増殖は、微小管の脱重合阻害(重合促進)により微小管の安定化・過剰形成が起こることで抑制される。このような微小管の脱重合を阻害する薬物として、タキサン系抗悪性腫瘍薬であるパクリタキセルなどがあげられる。
5 誤。微小管は細胞内に存在する細胞骨格の一種であり、細胞外マトリックスの成分とはならない。細胞外マトリックスは、組織において細胞外の物質の総称であり、コラーゲンなどが該当する。細胞外マトリックスは、細胞の接着や調節機構に重要な役割を果たしている。