正解は 2、3

解説

【病態】
1 誤。聴診は、呼吸器疾患における呼吸音の異常の確認に用いられる。捻髪音とは、断続性ラ音(不連続で持続時間の短いラ音)の1つである。呼気時に閉塞した末梢気道が吸気時に開く際の音であり、間質性肺炎などで聴取される。COPDのような閉塞性換気障害では、気道の狭窄により気流速度の上昇に伴う気道壁の振動で連続性ラ音(一定以上持続するラ音)が聴取される可能性が高い。
2 正。COPDでは気流制限による進行性の閉塞性障害が認められ、重症化するとガス交換障害により、低酸素血症や高炭酸ガス血症などをきたす。
3 正。1秒率は、実測1秒量(FEV1.0)/努力性肺活量(FVC)×100で算出される。COPDなどの閉塞性換気障害では1秒率が70%未満を示す。
4 誤。COPDではガス交換障害により、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の増加による呼吸性アシドーシスを呈する。
5 誤。間質性肺炎に関する記述である。シアル化糖鎖抗原KL-6(Sialylated carbohydrate antigen KL-6)は、II型肺胞上皮細胞や呼吸細気管支上皮細胞などに多量に発現している巨大な糖タンパクである。間質性肺炎では、炎症に伴うII型肺胞上皮細胞などの傷害や再生により高値を示すと考えられている。