正解は 2、3

【実務】
医薬品の吸収過程において起こる相互作用は、服用時間をずらすことによって回避が可能な場合がある。
1 誤。S-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合)カプセルは、フッ化ピリミジン系の抗悪性腫瘍薬(フルオロウラシル、ドキシフルリジンなど)との併用をすることにより、ギメラシルがフルオロウラシルあるいはフッ化ピリミジンから生成されたフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、フルオロウラシルの血中濃度が上昇することにより早期に重篤な血液障害などの副作用が発現するおそれがあるため、両薬剤は併用禁忌である。S-1カプセル投与中止後においても少なくとも7日間はフッ化ピリミジン系の抗悪性腫瘍薬を投与しない。
2 正。セフジニルは、クエン酸第一鉄ナトリウムなどの鉄剤と併用することにより、腸管内において非吸収性の錯体を形成し、セフジニルの吸収が約10分の1まで阻害されるため、両薬剤の併用は避けることが望ましい。やむを得ず併用する場合には、セフジニル投与後3時間以上間隔をあけて投与する。
3 正。レボフロキサシン水和物は、酸化マグネシウムと併用することによりキレートを形成し、レボフロキサシンの吸収が低下するため、両薬剤は併用注意である。併用する場合、酸化マグネシウムは、レボフロキサシン投与から1~2時間後に投与する。
4 誤。バルプロ酸ナトリウムは、カルバペネム系抗生物質(テビペネムピボキシルなど)と併用することにより、バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発するおそれがあるため、両薬剤は併用禁忌である。
5 誤。リファンピシンは、ボリコナゾールの代謝酵素CYP3A4を誘導し、ボリコナゾールの血中濃度を低下させるため、両薬剤は併用禁忌である。