正解は 1、5

 

【薬理】
1 正。セファレキシンは、第一世代セフェム系抗生物質であり、β-ラクタム環を開裂する酵素であるβ-ラクタマーゼ(セファロスポリナーゼ)に対して感受性を示す。耐性菌はβ-ラクタマーゼを産生するため、セファレキシンに対する耐性を示す。
2 誤。スルバクタムは、β-ラクタマーゼ阻害薬であり、それ自身の抗菌活性は極めて弱い。セフォペラゾン又はアンピシリンと併用することで、これらの薬物のβ-ラクタマーゼによる分解を防ぎ、単独使用時よりも抗菌作用を増強させ、耐性菌にも抗菌活性を示すようになる。
3 誤。β-ラクタマーゼ阻害薬に関する記述である。セフォタキシムは、第三世代セフェム系抗生物質であり、ペニシリン結合タンパク質(PBP)に結合し、トランスペプチダーゼ活性を阻害して細胞壁合成を阻害する。
4 誤。メロペネムは、カルバペネム系抗生物質であり、従来のカルバペネム系抗生物質(イミペネム、パニペネム)とは異なり、デヒドロペプチダーゼI(DHP-1)に安定であるため、分解物による腎毒性は起こりにくい。
5 正。セフメタゾールは、第二世代セフェム系抗生物質であり、構造上にN-メチルテトラゾールチオール基を有するため、ジスルフィラム様作用(アルデヒド脱水素酵素阻害作用)を示すと考えられており、飲酒時に血中アセトアルデヒド濃度が上昇しやすくなる。また、第三世代セフェム系抗生物質のセフォペラゾン、セフメノキシム、ラタモキセフも同様の構造を有しているため、ジスルフィラム様作用を示す。