【実務】
本患者は、肝機能は正常で、腎機能が高度に低下していると考えられる。
１ 誤。注射用イミペネム・シラスタチンナトリウムは、腎機能障害患者では腎機能に応じて用量、用法を調節し、血中蓄積による副作用発現を防ぐ。
２ 正。本患者に対して投与量を調整する必要性が低い薬物としては、アジスロマイシン水和物錠であることが示唆される。アジスロマイシンは、胆汁排泄型薬物である。高度な肝機能障害のある患者では肝機能を悪化させるおそれがあるため、投与量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与するが、腎機能が低下している患者には、投与量を調節するなどの必要性は低い。
３ 誤。セフィキシム水和物カプセルは、高度の腎障害のある患者では、高い血中濃度が持続するおそれがあるため、腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与間隔をあけて使用する。
４ 誤。アンピシリン水和物カプセルは、高度の腎障害のある患者では、高い血中濃度が持続するおそれがあるため、投与間隔をあけて使用する。
５ 誤。レボフロキサシン水和物錠は、腎機能低下患者では、高い血中濃度が持続するおそれがあるため、必要に応じて投与量を減じ、投与間隔をあけて投与することが望ましい。