正解は 3、5

【実務】
 手足症候群とは、主にフッ化ピリミジン系薬やチロシンキナーゼ阻害薬などの抗悪性腫瘍薬により手や足の皮膚の細胞が障害されることで起こる副作用で、手足のしびれや痛みなどの感覚異常、皮膚の赤み、むくみ、色素沈着、角化(皮膚表面が硬く、厚くなってガサガサする状態)などが見られる。手足症候群を引き起こしやすい薬物として、カペシタビン、ソラフェニブトシル酸塩、スニチニブリンゴ酸塩などがあげられる。

1 適切。手足症候群の予防、悪化の防止のために熱い風呂やシャワーを避けるのが望ましい。
2 適切。手足症候群の予防、悪化の防止のために直射日光は避けるのが望ましい。
3 不適切。手足症候群の症状が現れた場合、多くの場合でソラフェニブトシル酸塩による治療を継続したまま、対処することが可能であるが、症状によっては減量したり服用を一時休止する必要がある場合がある。症状が現れた場合には、薬の使用を中止するのではなく、速やかに医師、薬剤師等に相談するよう指導することが望ましい。
4 適切。手足症候群は、物理的刺激がある部分に起こりやすいことが知られており、刺激を避けるような処置を行い、保湿を目的とした尿素軟膏、ヘパリン類似物質含有軟膏、白色ワセリンなどの外用薬を使用することが望ましい。
5 不適切。手足症候群の予防、悪化の防止のためにきつい靴下は履かないようにし、刺激の少ない厚めの靴下やジェル状の靴の中敷を使用して足を保護するように指導する必要がある。