正解は 2、3

【実務】
 クローン病の病変は消化管全層に及び、消化吸収がうまくできないことも多いため、栄養療法が重要となる。クローン病の緩解の維持にも有効で、1日の総カロリーの半分を経腸栄養剤で摂取すれば、食事制限をしない場合と比較して再発の防止効果がある。

1 誤。半消化態栄養剤は、窒素源が完全なタンパク質あるいは一部加水分解され吸収しやすくしたものである。消化機能がある程度保たれている場合に用いる。
2 正。成分栄養剤は、抗原性が低く消化は不要であり、腸管に負担をかけずに栄養を摂取できる。
3 正。中心静脈栄養(TPN)は、病態が重篤な場合や消化管狭窄などの重大な合併症がある場合に行う。
4 誤。栄養療法と薬物療法の併用は推奨される。薬物療法として、抗炎症薬のメサラジンや副腎皮質ステロイド性薬、抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体製剤であるインフリキシマブなどを用いる。
5 誤。経腸栄養では少量で高エネルギーの摂取が可能であり、高脂肪食の摂取はエネルギーの過剰摂取につながりかねないため、併用は推奨されない。