【薬理】
1 誤。ニトログリセリンは、硝酸薬であり、分子内から一酸化窒素(NO)を遊離して血管平滑筋細胞において可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化し、細胞内cGMPの合成を促進させる。その結果、静脈を拡張して静脈還流量を低下させ、心臓の前負荷を軽減させる。
2 正。ニコランジルは、ニコチン酸誘導体製剤であり、本剤の分子内からNOを遊離し、NOによる血管拡張作用を示す他、ATP感受性K+チャネルを開口させることにより細胞膜のK+透過性を亢進して細胞外からのCa2+流入を減少させて冠動脈を拡張させる。
3 誤。アテノロールは、選択的β1受容体遮断薬であり、心筋収縮力低下作用、心拍数減少及び房室伝導抑制作用などを示す。また、傍糸球体細胞からのレニン分泌抑制を介して末梢血管抵抗を減少させる。
4 正。ジルチアゼムは、Ca2+チャネル遮断薬であり、心筋細胞内へのCa2+流入を抑制し、心筋の酸素消費量を減少させる。また、冠血管平滑筋細胞へのCa2+流入を抑制し、冠血管のれん縮を抑制することで冠血流量を増大させる。
5 誤。ジピリダモールは、血液中のアデノシンの赤血球や血管壁への取り込みを抑制して血液中アデノシン濃度を上昇させる。その結果、増加したアデノシンがアデノシンA2受容体を刺激し、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼを活性化することで細胞内cAMP濃度上昇を介して間接的に冠血管を拡張させる。