※4 慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン

第1章透析患者のCKD-MBD 管理における基本事項

ステートメント
Ⅰ.ルーチン検査の基本的管理*1
) CKD-MBD に関連したルーチン検査として,血清P,Ca 濃度,アルブミン(Albumin:Alb)濃度,
血清PTH 濃度,アルカリフォスファターゼ(Alkaline phosphatase:ALP)値の測定が望ましい*2,3
(2D).
) 病態の評価や治療方針の決定において,1 回の検査結果ではなく,検査値の動向から判断すること
を推奨する(1C).
) 検査値が基準値内の動きでも,進行する場合には,治療法の変更が望ましい(2C).
) 週の初回透析開始時の値を用いるのが妥当である(グレードなし).
Ⅱ.測定頻度
) 血清P,Ca 濃度は最低月に1∼2 回の測定が妥当である(グレードなし).
) 血清P,Ca 濃度が管理目標値から著しく逸脱した場合,あるいはその危険性が高い場合には,その
値が安定するまでより頻回の測定が望ましい(2D).
) PTH は通常3 か月に1 回測定する.ただし,管理目標値から逸脱した場合,治療の変更や高PTH
血症に対する積極的な治療(静注活性型ビタミンD 製剤,シナカルセト塩酸塩,インターベンション)
を施行中では,安定するまで月に1 回の測定が望ましい(2D).
補足
*1 検査結果を評価する上で,採血と服薬のタイミング,服薬アドヒアランス,測定方法に関する情報を確認す
る(1C).
*2 低アルブミン血症(4.0 g/dL未満)がある場合には,以下の式を用いて計算される補正 Ca 濃度を目安とし
て用いる.
補正Ca 濃度=実測Ca 濃度+(4−Alb濃度)[Payne の補正式]
*3 通常月1 回測定するALP を骨代謝マーカーとしてまず利用する.