保険診療から見た二次性副甲状腺亢進症
★現状
慢性維持透析外来医学管理料を請求している場合は診療報酬点数表[※1]通り
...(いわゆる)パルス施行中や治療の変更から3か月以内等は,PTHは管理料に含まれるものに加えて,もう一回分請求できる.社会保険部の頁_201608ではこの場合でも月1回としており整合性が取れていない.「月もう1回請求できる」ということ→「保険では月1回面倒見ますよ」という理解
慢性維持透析外来医学管理料を請求していない場合は社会保険部の頁_201608[※2]どおりか. ...慢性腎不全だけでは3か月毎だが,二次性副甲状腺機能亢進症があれば一か月毎で良いという解釈も可能になっている(社会保険部の頁_201608[※2]では)ので,当面認めるか.
第23 回透析保険審査委員懇談会報告[※3]の「開始3 カ月間のCa,P,PTH の算定は認めている県が大半」というのは,「もう一回請求して計2回」ということで良い?
そもそも慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン[※4](ちょっと古いけど)では3か月に一度
診療報酬点数表の趣旨に従うならば,(慢性維持透析外来医学管理料を請求しているいないに関わらず,)パルスやってるか治療変更して安定しないうちはPTH は 2 回(Ca, P は 3 回)良いということだろう.
慢性維持透析外来医学管理料を請求していない場合は社会保険部の頁_201608より多くなるが,ここまで認めて良さそう.
★これから実臨床上何が適切かを考える
治療開始や変更後は「安定するまで」or「Xか月以内」は一か月毎認める.それ以降は三か月毎とする.
「慢性維持透析外来医学管理料」を請求している場合もそうでない場合も一緒
「安定するまで」の場合は安定していないデータを求める.
もちろん「慢性維持透析外来医学管理料」としてお金を貰って何回やっても,それは自由.
内服VitDパルス療法で月2~3回のCa,Pの測定は延々と必要?
...必要でないとすれば「安定するまで」とか「開始後Nか月まで」で良いのでは?
...Ca, P, PTH も同様.
レグパラやパーサビブも同様.
慢性維持透析医学管理料をとってやっている分には,その中で賄ってもらう.
下の第23
回透析保険審査委員懇談会報告の赤字の解釈によっては,出しても良い?
そうでない場合には,「安定するまで」は月1回認めて,それ以降は3か月に一回.
...といってもVitDパルス療法については点数表に書いてあるので査定は出来ないが.
RegularUse の VitD i.v. は古典的な内服パルスとは別に考えては?
■社会保険部の頁_201608で「慢性腎不全」でも認めるのではなくて,やはり「二次性副甲状腺機能亢進症」の病名を求めた方が良いのでは?
リンやカリウムも同様に
★参考
とっかかりとして極く軽くまとめ
マキサカルシトール (オキサロール注 中外)
...適応は二次性副甲状腺機能亢進症
カルシトリオール (ロカルトロール 協和キリン)
...適応は二次性副甲状腺機能亢進症
経口VDRAを投与 (特に透析液Ca濃度が高いと) Ca コントロールしにくい
↓
「経口ビタミンDパルス療法」→「静注ビタミンDパルス療法」
透析終了時に0.5μgの静注を週3回で開始し、血清P、Ca値を月2回程度、また血清PTH値を月1回程度確認しながら、投与量を調整
■ガイドラインは?では3か月に一度
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン
透析会誌45(4):301-356,2012
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン
___参照
社会保険部の頁_201608.pdf
★問題となるかもしれない事項
点数表によれば「慢性維持透析患者外来医学管理料」において 10-イ
が定められていて,パルス療法施行時は頻回に測定して請求しても良いことになっている.
?SHPTにVitDを使うのは止めてカルシノミメティクスでコントロールすべき--Ca下がったら併用可?
?Ca, PTH 良ければあえて変更しなくて良い?